渋野日向子(20=RSK山陽放送)が、全英女王の意地を見せる。42位から出て6バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの72とスコアを伸ばせず通算1オーバーの40位。優勝争いから遠く離されても「ビッグスコアを出す」と最終日に巻き返す。

1万582人の観衆が集まるなど渋野人気で周辺道路は大渋滞した。同じ黄金世代の畑岡奈紗(20)が通算13アンダーで優勝に王手をかけた。

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優勝争いから遠く離されても、渋野人気はすさまじい。周辺道路は大渋滞。この大会の第3ラウンドとしては史上3番目の1万582人の大観衆が集まった。9番で、2日連続でティーショットが電線に直撃して打ちなおしになると爆笑が起きる。難ホールの12番でグリーン横の深いラフにつかまってダブルボギーをたたくと「諦めるな~」の声が響いた。

「電線に当たるのは珍プレーですね。でも『しぶこ渋滞』は私のせいにしないでくださいよ~。(全英で)優勝する前とは観衆が違うのでうれしい。明日はビッグスコアを出したい。60台は行きたい」

賞金ランクトップを走る申ジエ(韓国)が、まさかの予選落ち。総額2億円の高額大会のため、初の賞金女王を狙う同2位の渋野が意地の60台で上位に食い込めば、ジワリと近づく。09年諸見里しのぶ以来日本人10年ぶりのメジャー2連覇は難しくなったが目標は失っていない。だからこそ「パットのストロークが怪しい。こんなゴルフをしていたら疲れます」としながらも「有終の美を飾りたいです」と力を込めた。

15日も1万人を超える観衆が予想される。「『しぶこフィーバー』はありがたい」。ファンの期待と声援を、力に変えるつもりだ。【益子浩一】