昨季賞金王の今平周吾(26=フリー)が、今季初優勝へ首位と1打差2位で最終日を迎える。2位から出て1イーグル、4バーディー、1ボギーの66で回り通算13アンダー。最終18番パー5で2オンからイーグルを奪い、首位に食らいついた。現在賞金ランクは1位石川遼に約1843万円差の5位。勝てばトップに立つ可能性がある。同14アンダーの武藤俊憲(41=フリー)が、4年ぶりのツアー優勝に王手をかけた。

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秋風吹く最終18番パー5で、今平が首位の背中を捉えた。残り211ヤード。5Wで放った第2打を、ピン奥2メートルにつけた。大観衆が見守る前でイーグルで締めくくり、首位と1打差に迫った。出だしの1番でつまずいた以外は、立て直してボギーなし。14番パー4では、5メートルの長いバーディーパットも沈めた。逆転での今季初勝利となるツアー通算3勝目へ、風は今平の背中を押しているようだ。

「バーディーで上がりたいと思っていたのでイーグルは気持ち良かった。勝ちたい、勝ちたいと思っても勝てるわけではない。チャンスが来るのを待ちます」

賞金ランクは1位石川を約1843万円差で追う5位。今大会の優勝賞金は3000万円で、5位石川が3位以下ならトップに立つ。2年連続の賞金王へ、大きなチャンスが巡ってきた。日本とアジア、韓国ツアーの共催試合で、韓国開催だった前週は一時は首位に立ちながら、最終日に72と伸ばせず6位に終わった。

「自分の課題は最終日。伸ばせないと勝てない。4日間で一番いいスコアで上がりたい」。好調石川らと争う賞金王。普段はおとなしい男が、勝負をかけて最終日に挑む。【益子浩一】