今季2勝目を目指す稲見萌寧(20=都築電気)が、自己ベストタイの63で回り、9アンダーで単独首位発進した。7月の初優勝とその後のシード権確定による安心感から調子は下降。心機一転、初めてコーチをキャディーに付けて臨んだ大会で、好スコアをマークした。

三ケ島かなが7アンダーで2位。アマチュアの古江彩佳ら5人が、5アンダーで3位につけた。

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集中力を取り戻した稲見が、次々にバーディーを重ねていった。出だしの1番でいきなりバーディー発進。4番からは4連続など前半で30をマーク。後半も3つスコアを伸ばし、自己ベストタイの63。初体験の初日首位で、ツアー2勝目へ勢いをつけた。

「7月の優勝の後、何週か良かったけど、そこから疲労とシード権を取ったことで安心して闘争心が落ちていた」と振り返った。この日は心機一転、昨年12月から指導を仰ぐ奥嶋誠昭コーチに初めてキャディーを頼んだ。不調のとき「甘いよ。目標は2勝目だよ」と叱咤(しった)激励されていた奥嶋氏がそばにいて、プレーに余裕も生まれた。

2週前の日本女子オープンでは胃腸炎で途中棄権。38度の熱も出たが、治るまでの間も練習を休まなかった。両親とも「闘争心をむき出しでやろう」と話し合い臨んだ前週のスタンレー・レディースで6位に入り、復調のきっかけをつかんでいた。

「2勝目は最後の最後まで余裕で、ストレート勝ちしたい」。温厚な表情が、きりりと引き締まっていた。【桝田朗】