東北福祉大1年の牛塚海斗(18)が首位発進した。強風が吹き、難易度の増した名門・片山津GCで3バーディー、4ボギーの1オーバー、73。13番パー3でカラーから7メートルのパーパットをねじ込むなど、得意のグリーン上で27パットとさえ、粘りのプレーに徹した。社会人2年目の石塚祥成(23)も73で首位タイ。70台が12人だけという我慢大会になった。

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自分のストロングポイントを「耐えるパッティング」という牛塚が、73に「だいぶ戦えた方です」と満足した。松が美しい林間コース。あごの高いバンカーが口を開け、砲台グリーンが待つ。ただでさえ難しい名門に強風が吹き、誰もアンダーパーを出せなかった。

牛塚は我慢した。後半10番パー4(382ヤード)で残り110ヤードの第2打を、52度で低く抑えて打ち、ピン80センチにつけるなど3バーディーを奪ったが、むしろ誇らしいのはパーセーブだ。13番パー3(193ヤード)は、カラーから7メートルのパーパットを決めた。

「マレットも何度か試したけど、やっぱりピン型がいい。特にショートパットですが」。自分の感性をよりストレートに伝えるためのこだわりが、この日の27パットにつながった。

四国の強豪・香川西高では1、2年時にツアー競技・関西オープンに出場したものの、全国レベルのタイトルとは無縁だった。だが、進学先には多くのトッププロを輩出する東北福祉大を選んだ。将来の夢は当然、ツアープロだ。目標、憧れに「やはり松山英樹さん」と大学の先輩を挙げた。「ドライバーは昨日、新しいのをおろしたばかりだから苦労しました。明日は第1打の精度を上げたい」。初の全国タイトルへ。手応えはある。【加藤裕一】

◆牛塚海斗(うしづか・かいと)2001年(平13)1月31日、大阪府東大阪市生まれ。ゴルフは9歳から。香川西高3年で日本ジュニア、全国高校選手権などに出場後、東北福祉大へ。171センチ、68キロ。