アマチュアの金谷拓実(21=東北福祉大3年)が8バーディー、1ボギーで昨年のコース改修後のレコードとなる63をマークし、通算8アンダーの202でツアー初の首位に立った。63は自身最少スコアだった。日本人アマ2人目となるマスターズ出場を果たした逸材が、11年の松山英樹以来、史上4人目(72年のツアー施行後)のアマチュア制覇へ王手をかけた。

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アマチュアの金谷は、18番で18ホールの自身最多となる8個目のバーディーを奪うと右手でガッツポーズをつくった。並み居るプロを相手にコースレコードの63をたたきだし、単独トップ。昨年は大学の先輩松山が改修に携わったコースで予選落ちに終わったが、今年は違う。成長の跡を示し、その松山以来8年ぶりのアマ制覇を視界にとれた。「アマチュアで優勝した人はたくさん活躍している。自分も優勝する気持ちでプレーする」と言い切った。

まさに「タクミの技」だ。2つスコアを伸ばして迎えた後半。10番で4メートルのバーディーパットを入れると12番でも再び4メートルを決めた。14番で1メートルを決め首位に並び、15番では5メートルの長いパットを沈め、連続バーディーで単独首位に躍り出た。第1ラウンドは73とつまずいたが、パットでストローク時の重心の位置を修正し、好スコアにつなげた。

大学の先輩との死闘が勝利への思いをかき立てている。17年の日本オープン選手権で池田勇太と最終日最終組で回ったが2位に敗れた。「あの悔しさがあったからマスターズにも出られた。すべての原動力」。その池田は前の組から2打差で追ってくる。先輩越えを果たし、歴史に名を刻む時がきた。【松末守司】