女子ゴルフツアーの大王製紙エリエール・レディース開幕前日の20日、ツアー通算7勝の佐伯三貴(35=大和ハウス工業)が開催コースの愛媛・エリエールGC松山で囲み取材に応じ「引退って書かれてますけど、チャンスがあれば(ツアーに)出ますんで。スパッと辞めるわけではない。迷惑がかからない、まだやれると思い、推薦がいただけるようならまた出たい」と語った。

佐伯は賞金ランク69位で来季同シード(50位以内)獲得は厳しく、来季出場権を得るにはQT出場を考える必要があり、18日に書面でツアーの第一線からの撤退を表明していた。

佐伯は「06年に初めてQTを受けたときに“ここには絶対戻らない”と決めていた」という。決断の要因となったのは体調面。2012年に首、15年に右手首の手術を受け、腰痛も患っていた。「首はさておき、右手首は見えるし、使うし、利き手。自分の得意のパット、アプローチがガラッと変わってしまった」と明かした。

今後は母校の東北福祉大などで後進の育成も考えている。「頼まれたら行くという感じ。実際、今も後輩を見ているし」。後輩プロの山路晶、田中瑞希、菅沼菜々、沖セイラを指導中。「でも、教えるとだめですね。闘争心がなくなっちゃう」と苦笑いした。

思い出の試合に通算2勝目となった10年伊藤園レディースを挙げた。また今年、渋野日向子が優勝したメジャー・全英女子オープンの13年大会で最終日最終組になったことにも言及。「あんなに緊張したことはなかった。今年、渋野さんが勝った時に“すごい子が出てきたな。私たちは10位でほめられたのに”と思った」と話した。

今大会は予選ラウンドで原江里菜、宮里美香と同組で回る。「06年アジア大会を一緒に戦ったメンバー。楽しみです」。1打1打をかみしめながらプレーするつもりだ。