女子ゴルフツアーの大王製紙エリエール女子オープン開幕前日の20日、ツアー通算9勝の諸見里しのぶ(33=ダイキン工業)が開催コースの愛媛・エリエールGC松山で、来季出場権をかけたQTに出場しないことを表明した。「引退という訳ではないし、大げさに言うことでもないんですが」。ツアー7勝の佐伯三貴、同3勝の一ノ瀬優希が相次ぎセミリタイアを表明したことを受けて、今回のアクションとなった。

09年に賞金ランク2位となるなど、ツアーを引っ張ってきたが、相次ぐ負傷もあり13年以降は賞金シードを確保できず、今季はツアー9試合に出場して全部予選落ちしている。「ここ数年、コースセッティングの距離も伸びて、心技体ともに難しく感じていた。若い子と一緒に回って“私にプロとして見せる魅力があるんだろうか”と考えた」。きっかけは昨年8月のNEC軽井沢72。成田美寿々、葭葉ルミと同組で回り、2人との差を痛感したことが今回の決断の始まりだったという。

ただし、来季も開幕戦予定の沖縄開催、ダイキン・オーキッドレディースに関しては「所属先で、地元(沖縄出身)の大会なので、主催者推薦があれば、出場させていただきたい」と話した。同社の井上礼之会長には今季開幕前に「どんなに惨めになってもいい。やりたい気持ちがある限り続けなさい」と激励された。「大変ありがたかった。でも、それに見合う選手でなくなったので」と今夏に決断を報告したという。

「ゴルフは私にとって学校のようなもの。たくさんの人と出会えて、たくさんのことを学ばせてもらった。これからはそういうものを伝えていきたい」。“ラストマッチ”を前に、心境を語った。