今平周吾(27=フリー)が喜び半分の賞金王を決めた。5バーディーで通算9アンダーとし、最終18番を単独首位で迎えながら、まさかのダブルボギーをたたき、V逸の3位に終わった。

今季獲得賞金を1億6804万9312円とし、史上5人目の2年連続戴冠を「27歳67日」の史上最年少で決めた快挙を喜びつつも、昨季1勝、今季2勝で終わったことを反省。「毎年、3勝できる選手を目指したい」と来季に向けた決意を口にした。

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AONに片山という永久シード選手4人続く快挙を決めたのに、今平の表情はさえなかった。「2年連続賞金王はすごくうれしいんですけど…」。18番をパーで終えれば、通算9アンダー。結果的に石川のVスコアを上回っていた。思いは複雑だ。

悪夢の18番パー3だった。4番アイアンの第1打が大ショート。25ヤードのアプローチはピン1メートルについたが、場所が悪かった。パーパットはきつい下り。カップを外れた球は4メートルオーバー、返しも決まらず、2オン3パット。17番までのノーボギーがウソのようなダブルボギーで優勝は消えた。「タッチを合わせても外れたらオーバーする。それなら、ラインを薄めに読んで強めにと思ったんですが…」とパーパットの場面を振り返った。

優勝で、今季3勝目で決めたかった。開幕時から「賞金王は全く狙ってなかった。常に優勝を意識して、それが積み重なった結果です」。昨季は1勝。今季は予選落ちがなく、25戦中8戦が3位以内。だが、目標の「年間3勝」に届かず、2位5度の2勝に終わった。過去4人の2連続賞金王達成者の初達成時を見ると、尾崎が5勝&6勝、青木が6勝&4勝、中嶋が5勝&8勝、片山が2勝&2勝。時代は違うものの、2年で3勝は見劣りする。

「安定感も大事ですが、これからは勝つってことが大事。毎年3勝していくのが、理想です」。来季は東京五輪イヤー。現実的な出場枠「2」を巡り、松山英樹に次ぐ2番手の男は勝負強さを追い求めていく。【加藤裕一】

◆2年以上連続の賞金王 今平は、04~06年の片山晋呉以来5人目。他に尾崎将司(73、74年 88~90年 94~98年)青木功(78~81年)中嶋常幸(85、86年)。27歳67日での達成は尾崎将の27歳318日を更新する最年少記録。