九州運動記者クラブのゴルフ分科会が昨年活躍した九州・沖縄出身の選手に贈る「グリーンハット賞」の授賞式は21日、福岡・九州ゴルフ連盟で行われた。

プロの部では、渋野日向子ら、98年度生まれの「黄金世代」が台頭する中、長年高次元の活躍を続け、ツアー2勝をあげて通算15勝に伸ばした熊本市出身の上田桃子(33=かんぽ生命)らが選出。男子は「RIZAP KBCオーガスタ」で、悲願のツアー初Vを飾った沖縄県出身でプロ4年目のホープ、比嘉一貴(24=フリー)がともに初受賞した。アマの部は、該当者なし。

比嘉は、紺のスーツ姿で会見に臨み「去年の(同賞)記事を見て(緑の帽子を)かぶりたくないと思ったけど、ここでかぶってみたら意外に気持ちいい。こういう賞をいただき、うれしいです」と照れ笑い。今年の目標について「3勝以上を目指し、終盤で賞金王争いに加われたら。4大メジャーにも出場したい。特に全英オープンに一番出たい」とぶちあげた。

そのためには「パッティングとパーキープ率を中心に上げて行きたい」と言い、課題克服を目標達成のカギと位置づけた。

上田は、ハワイ合宿中で欠席したが、代理出席した父功一さん(64)は「九州の歴史あるグリーンハット賞を受賞でき、光栄に思っております」とあいさつ。娘の受賞に「(上田も)喜んでおりました」と感謝した。

ただ「昨年2勝しましたが、賞金ランク9位という結果に本人は満足していません。それ以上の成績を上げるためトレーニングやキャンプからしっかり取り組み、もっといい成績が出せるようにしたいと言っています」とした。

さらには「オリンピック(東京五輪)に関しても、難しいと思うが、可能性がある限りベストを尽くすと思う。賞金女王も頭の中にある。そこを目指すというか、それがないと。プロゴルファーとして、ただシードを取ることをモチベーションにはしていない」。昨年のラグビーワールドカップ(W杯)で日本代表の2試合を生観戦し奮い立ったという上田の今年にかける並々ならぬ思いも代弁した。【菊川光一】