黄金の次はミレニアム-。女子ゴルフ国内ツアーは来月5日、ダイキン・オーキッド・レディース(沖縄・琉球GC)で開幕する。昨季は渋野ら“黄金世代”で盛り上がったが、今季は2000年度生まれの“ミレニアム世代”も要チェックだ。史上7人目のツアー競技アマチュア優勝でプロ転向した古江彩佳(19=フリー)はその筆頭格。夢の賞金女王へ、プロ人生を本格化させる。(取材協力・六甲国際GC)

大きな期待と少しの不安で、古江が揺れる。「自信はないです。というか、過信をしたくない。ただ、今が精いっぱいじゃないので」と困ったように笑った。

98年度生まれの「黄金世代」との比較で、今季プロデビューする00年度生まれの女子ゴルファーが「ミレニアム世代」と呼ばれる。その中にあって、昨年10月富士通レディースで宮里藍、勝みなみらに続く史上7人目のアマチュア優勝を飾った古江の実績は別格だ。

同世代より一足早くプロ転向し、11月の4試合だけで賞金ランク54位の2073万円を稼いだ。トップ選手だけの最終戦LPGAツアー選手権は2位。宮里藍も秋のアマチュア優勝後にプロ転向したが、最終戦22位。舞台が同じ、難コースの宮崎CCだけに、完成度の高さがうかがえる。

プレー内容が光る。規定ラウンド(R)数に遠く及ばぬ13Rのデータながら、パーオン率78・3846%は部門別1位稲見(78・2079%)をしのぎ、平均ストローク70・3846は1位申ジエ、2位鈴木に次ぐ3位相当。153センチの小さな体で描く、無駄のないスイングを、すでにツアー関係者の多くが絶賛する。優勝がフロックでないことは実証済みだ。

夢は「賞金女王」だ。

「不動裕理さんが6年連続でなりましたよね。それで“そんなんあるんや”と。名前に“賞金”てついてるけど“女王”がすごい」。不動の記録は00年、古江が生まれた年に始まった。「目標は“まず1勝”。全部は、プロとして勝ってからです。その後“3勝”とかに上げていきたい」。

賞金女王はいつまでに? 「う~ん、もっと先ですけど…。ルーキーでできたら、かっこいいなと思いますけど」。古江が「へへへ」と笑った。【加藤裕一】

◆古江彩佳(ふるえ・あやか)2000年(平12)5月27日、神戸市生まれ。ゴルフは4歳から。滝川二2年の17年に全日本大学・高校選手権優勝、同年ナショナルチーム入り。昨春から六甲国際GCで研修生となり、昨年10月に富士通レディースで史上7人目のアマチュア優勝を飾ってプロ転向。昨年のLPGA敢闘賞。153センチ、54キロ。