新型コロナウイルスの感染拡大により、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は28日、国内ツアー開幕戦ダイキン・オーキッド・レディース(3月5~8日、沖縄・琉球GC)の中止を発表した。19日には、いったん無観客開催と決まっていた同大会。26日になって政府から、大規模イベントの自粛要請があり、さらに踏み込んだ対応へ至った。渋野日向子(21=サントリー)らは米女子ツアー2戦に続き、3戦連続で“開幕”が遅れる格好になる。

開幕戦開催に意欲的だったJLPGA、主催のダイキン工業、琉球放送だが、新型コロナウイルスの感染拡大、それに伴う社会情勢の深刻化に中止の決断を下さざるを得なかった。

主催者サイドは19日、プロ野球、Jリーグ、ラグビーのトップリーグなど他競技団体に先駆け、開幕戦の「無観客開催」「前夜祭、プロアマ戦中止」を決めたが、1週間あまりで状況は変化。さらに踏み込んだ決断へ-そう、強いられざるを得なかった。

24日に厚生労働省が感染状況について「1、2週間が急速に拡大するか、終息できるかの瀬戸際」との見解を出すと、26日には安倍首相が「大規模なスポーツ、文化イベントを今後2週間程度、中止、延期、規模縮小するように求める」と表明。27日には小中高校へ「臨時休校」要請も出た。

JLPGAの小林浩美会長(57)は「政府の、国家的な課題として感染防止に取り組む強い姿勢表明を重く受け止め、最大限の協力をする観点から再度、慎重に議論を重ねた結果」と、決断理由を説明。「全国のファンの皆様には、現地観戦のみならず、テレビ観戦もかないませんことを心よりおわび申し上げます」「このような大会中止は断腸の思いであります」とコメントを発表した。

今季はツアー前半戦、6月29日時点の世界ランキングで東京オリンピック(五輪)の出場権が決まる。2、3枠を巡る争いの出ばながくじかれた。

現在、同ランク5位畑岡奈紗に次ぐ11位の渋野は、ホンダLPGAタイランド、HSBC女子世界選手権(シンガポール)の米女子ツアーのアジアシリーズ2試合を加え、3週連続で“開幕”が流れた。「開幕戦が中止になり非常に残念ですが、ツアーの再開に備えて、しっかりと調整を続けていきたいと思います。まずは一刻も早く、事態が終息することを願っております」とし、気持ちを切り替えていく考えだ。

同ランク15位の3番手、昨季賞金女王鈴木愛(25)は米国合宿などをこなし、開幕戦からスタートダッシュを狙っていたが、これも仕切り直しとなった。