渋野日向子(21=サントリー)は、ファッションも一流だった! 昨年のAIG全英女子オープンを制し、ゴルフ男女を通じて日本人42年ぶりにメジャー優勝。人気、知名度ともに急上昇の裏には、代名詞となった笑顔だけではなく、ファッションセンスの良さによる女性からの支持があった。契約ブランド「ビームス ゴルフ」を展開する、ビームス第3事業本部BG部の上田実生子さん(29)が、渋野のファッションについて解説した。

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昨年8月、渋野の快挙で「ビームス ゴルフ」は、一時的に売り上げが前年比3倍超となった。AIG全英女子オープン最終日に着用していた夏もののポロシャツは、すでに秋ものに移行している時期だったが注文殺到。異例の再販売となった。ビームスの上田さんは「渋野選手に共感いただけるお客さまが継続的に増えました」と、売り上げは一時の3倍超から落ち着いた後も、平均1・5倍と明かした。渋野の服装が多くの女性を引きつけていた。

渋野が「ビームス ゴルフ」と正式契約したのは、昨年5月のワールド・サロンパス・カップでプロ初優勝した2日後だった。「渋野モデル」といった商品はなく、着用する全てのウエアは店頭などで販売されているものと同じ。渋野はブランドからコーディネート例を提示され、気候の変化にも対応できるよう、多めに1大会を通じたウエアを提供されるが「着たいものを着ていただければ」(上田さん)という。契約後、AIG全英女子オープンの他に国内で3勝。その3勝の大会でのコーディネイトを、上田さんが解説した。(大会は19年)

◆デサントレディース東海クラシック

写真(左)9月18日、練習日

上 イエローのポロシャツに、小さくお花のマーガレット柄がちりばめられています。ベージュのショートパンツで淡い色のコーディネイト。いつもとはまた違う、柔らかい印象です。

写真(右)9月21日、第2日

上 左胸に大きなワッペンが付いている、秋らしいカラーリングのポロシャツです。白のロングパンツを合わせていて、残暑が長かった昨年の秋にピッタリのコーディネイトですね。

大会を重ねるごとに、ゴルフの技術とともに、コーディネイトもプロをうならせるほど上達していた。上田さんは「日本のゴルフをもっとカジュアルで身近なスポーツにという願いを込めて」と、ウエアづくりに尽力。渋野の活躍は、日本のゴルフシーンを変えるかもしれない。【高田文太】

◆渋野日向子(しぶの・ひなこ)1998年(平10)11月15日、岡山市で3人姉妹の2番目として生まれる。8歳でゴルフとソフトボールを始める。小6でソフトボール投げ58メートルで県2位。ゴルフでは、中1から岡山県ジュニア3連覇。岡山・作陽高では全国高校選手権団体の部で優勝。18年2度目の挑戦でプロテスト合格。19年5月のワールド・サロンパス・カップでツアー初勝利。8月にAIG全英女子オープンで優勝。19年はツアー4勝を挙げ賞金ランク2位。165センチ、62キロ。血液型AB。