ツアー開幕の見通しが立たない中、女子プロゴルファーはシーズンに向けた調整を続ける。日刊スポーツでは主要クラブメーカーの主な契約プロや、使用予定クラブを、クラブ調整のクラフトマン、プロ担当の目から随時紹介。

「クラブのプロが見たプロ」として、2020年シーズンの目標や注目ポイントを探る。第17回はヤマハ契約の永井花奈(22=デンソー)。

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黄金世代の1学年上世代で奮闘する永井は、昨シーズン前にクラブ、ウエア、コーチ、トレーナーとすべてを変えた。「成長しているのに、成績に反映されなかった。つらかった」と苦しんだが、賞金ランク36位で3年連続のシード権を獲得した。

クラブセッティングは今年、大きな変更はない。昨秋発売したRMX(リミックス)120ドライバーを、シャフトや重心の位置を動かしたりと微調整で臨む。永井のクラブ担当は「以前のシャフトから昨年7月の資生堂から今のTP4R-1にチェンジしました。チップカットで0・75入れて少しSRに近づけるイメージです。そうすることでスピン量を抑えキャリーを稼ぐ。振りもよくなり、以前よりキャリーも伸び、即採用となりました」と話す。

同時にヘッドの重心をよりフェース側へ持っていき、ヘッドの余分な動きを抑えることで、スイングの力がじかにボールに伝わるようになってきた。「彼女は結果がすべて。クラブに対するこだわりというより、結果が良ければ自分からクラブに歩み寄ってくれる」と同担当。

永井の特長はドライバーが飛ばない分、ショートゲームのうまさにある。「昨年は全クラブ調整という中で苦しみながら結果をある程度出してくれました。すでに調整では結果が出ています。ストロングポイントにもさらに磨きをかけていってくれれば、必然的に勝ちがみえてくる」(同担当)と、17年の樋口久子・三菱電機レディース以来のツアー2勝目に期待を寄せる。【桝田朗】

◆永井花奈(ながい・かな)1997年(平9)6月16日、東京都生まれ。アマチュア時代は12年「ロレックスジュニアゴルフチャンピオンシップ」12~14歳女子の部で優勝。13、14年は「関東女子ゴルフ選手権」を連覇。14年にナショナルチーム入り。16年7月、プロテスト合格。17年にツアー初優勝を果たすと、賞金ランク20位に入りシード権を獲得。昨年も36位で3年連続のシード権確保。155センチ、55キロ。

<永井花奈のヤマハ契約クラブ>

▼1W=RMX120(ロフト角10・5度、シャフト=TP-4、硬さR1、長さ45・25インチ)▼アイアン=020プロト(7I~PW)▼ウエッジ=RMXプロト(48、52、58度)