石川遼(28=CASIO)は7バーディー、1ボギーの6アンダー、64で回り、現時点で5位につけている。2番パー3で4メートルにつけて最初のバーディーを奪うと、5番パー4の第2打も4メートルにつけて2つ目のバーディー。前半最後の9番パー5は、イーグルパットこそカップに70センチ届かなかったが、バーディーパットを難なく沈めて3アンダーで折り返した。

後半も10番パー5のバーディーを皮切りに、スコアを3つ伸ばした。15番パー4でこの日唯一のボギーをたたいたが、続く16番パー3はグリーン左1メートルにピタリとつけてバーディー。最終18番パー4は第2打をグリーン手前3・5メートルにつけて、2日間大会の最終日につなげた。

大会は無観客、キャディーなしで行われており、選手96人のうち、90人は電動手押しカートを利用している。自らバッグを担いで回っているのは、石川ら6選手だけ。それでもラウンド後は「久しぶりに試合をやれてよかった」と、うれしそうに話した。それでも「無観客試合は、緊急で何度か経験はあるけど、試合でキャディーさんがいないのは、プロになってからはない。無観客の上にキャディーさんがいない違和感は大きかった。途中、途中、試合ということを忘れてしまった」と振り返った。

1番ティーショットを打つ前には、グローブを着け忘れ、慌ててバッグのもとへ着けに戻って苦笑いを浮かべる場面もあった。見守った日本ゴルフツアー機構の青木功会長や関係者から温かい笑いが起き、なごやかな雰囲気に包まれた。ホールアウト後は、その場面を自ら振り返り「ロッカーでスタート直前に着替えてから来たんですけど、それでグローブがどこかに行ってしまって…。久しぶりの試合で、そういうところで試合勘が失われていたことが分かった。でも、ぶっちゃけ、かなり緊張はありましたね」と、苦笑いを浮かべて振り返った。

それでも現時点で首位の堀川未来夢と2打差につけている。「1ボギーで上がることと、バーディーを4つ以上取れるようにというのが目標だった。目標を2つクリアできたのは、なかなかプライベート(練習)でもないけど、それが試合でできてうれしい」と、スコアには納得の様子だった。

今年の国内男子ツアーは、1月にシンガポールで開幕戦を行って以降、再開は未定。最速でも9月以降だけに、出場権を得ている今年のメジャー初戦、8月6日開幕の全米プロ選手権についても「出場したいと思っております」と明言した。「全米プロのコースは知っているコースでもありますし、11年ぶりにそのコースに行くわけですけど、攻め方も変わると思います。今の自分のゴルフスタイルで、どこまでできるのか純粋に知りたい」と語った。