16位で出た松山英樹(28=LEXUS)は3バーディー、2ボギーの69で回り、通算4アンダーの206とし、首位と5打差で最終日に臨む。18位ながら5打差以内に20人がひしめく大混戦。最終18番をバーディーで締めた勢いに乗り、日本人男子のメジャー初制覇へ逆転を狙う。通算9アンダーに伸ばしたダスティン・ジョンソン(米国)が首位に立った。タイガー・ウッズ(米国)は、通算2オーバーの59位に後退した。

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嫌な流れを断ち切るバーディー締めだった。松山は18番パー4で4メートルのバーディーパットを沈め、スコアを1つ伸ばして最終日につなげた。「最後のバーディーで、自分の思う理想のラウンドができれば、チャンスはあるんじゃないかなと思う」。何よりもメジャー初優勝の大目標へ、前向きな精神状態を取り戻した。

7番パー4で、バンカーからの第2打を3メートルにつけて最初のバーディーを奪った。10番パー5では、再びバンカーからの第3打を1メートルにピタリ。後半早々に2つ目のバーディーを奪うなど、アプローチがさえた。だが11、12番のピンチこそパーでしのいだが、13、14番で連続ボギー。13番で3メートルのパーパットがカップに蹴られると、左足を上げ、右手で頭をかくポーズで悔しがった。「初日と同じようにショットが荒れてしまった」と、ラウンドが進むごとに内容は右肩下がりになった。だからこそバーディー締めに「気持ち的にすごく助かった」と語った。

72ホールのストロークプレーとなった58年以降、全米プロ選手権での最大逆転劇は7打差で、6打差逆転も4例ある。今大会は毎年開催コースが変わるが、今年で8度目の出場で全て予選通過と相性は良い。5打差以内に20人がひしめく混戦だけに、猛チャージを見せれば一気に順位を上げることも可能だ。17年には優勝争いも経験したからこそ「良いプレーをしないとチャンスはない」と断言。“健闘”ではなく勝ちきることに照準を定めた。