新型コロナウイルス感染拡大の影響により、6月から3日間大会に短縮された九州オープンが開幕し、プロ4年目の古波津柊(こはつ・しゅう、24=フリー)が、プロ初Vへ首位タイ発進した。

父が営む障がい者の就労支援事業を手伝う傍ら練習に励み、今大会初参戦。苦労人が公式戦ベストの65をマークした。中道洋平(34=福岡雷山)とアマの熊本侑三(21=佐賀)も首位に並んだ。

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沖縄出身で、レギュラーツアー出場のない無名の古波津が、今季初公式戦で首位タイ発進だ。

「めちゃめちゃキレキレでした」と6バーディー、1ボギー。ショット、パッティングともに好調で、特にティーショットが左右にぶれなかった。アウトスタートの3番パー4で、3パットし初ボギーをたたいたが動じない。5、6番で連続バーディーを奪い流れを引き寄せると、後半も2連続を含む4バーディーで公式戦ベストの65をマークしてみせた。

優勝賞金は協賛500万円を含む計1000万円。これまで「プロではベスト10がない。プロ通算で100万円ももらっていない」という苦労人だ。試合後、優勝したら賞金をどうしますか、と問われ「まず、取りましょう」と声を弾ませ周囲を笑わせた。第2日へは「アンダーパーで回りたいです」と謙虚に答えた。

普天間高から琉球大に進学。今年1月から父が経営する障がい者の就労支援事業を手伝う傍ら練習に励んできた。週5、6日、1日4、5時間働き、合間に練習を行う。コロナ禍、4月から1月間、通っていたトレーニングジムが使えなかったが試練に耐え首位をつかんだ。【菊川光一】

○…ツアー8勝の手嶋多一(51=ミズノ)は、連覇へ14位タイにつけた。「初めて来た」という大分東急GC。狭くトリッキーなコースに序盤は苦しめられ「アイアンの距離感が難しかった」という。だが終わってみれば「このスコアで十分」と2アンダーにまとめた。今日10日の第2日へ「(コースを)見られたんで、考えながら回りたい」と気持ちを切り替えた。

▽九州アマ連覇の日大1年の出利葉(いでりは)太一郎は2オーバーに 「手嶋さん、嘉数さんと同組でいい雰囲気で回らせてもらったが、風を読むのが難しかった。コロナで試合がない中で出ているので、感謝して明日(10日)は一生懸命プレーしたい」。