プロ7年目の永峰咲希(25=ニトリ)が国内メジャー初優勝を飾った。5バーディー、2ボギーの69で回り、通算12アンダー。スタート前の首位との2打差を逆転。18年フジサンケイレディース以来2年ぶりのツアー2勝目となった。

最終組の1つ前でプレー終えた永峰は、スコア提出所の出口で優勝の瞬間を見届けた。1打差で迫っていた田辺のバーディーパットが外れた。

「最悪、プレーオフになっても1度経験してるので」。18年4月の初優勝はプレーオフの末、手にした。少しの余裕とドキドキ感。「2勝目まで長かったので、次はもっと早く勝ちたいです」と笑った。

ブランクの2年5カ月で黄金世代、ミレニアム世代、新世紀世代という年下が台頭した。自分は昨季賞金ランク45位で、やっとの思いでシードを守った。「もう若手ではないですね」と苦笑いする25歳は「私たちもみんな、頑張っていますよ」。アマチュア時は柏原明日架、堀琴音らと一緒にナショナルチームメンバーで注目を集めたのだ。

昨季終了後、百数十万円のスイング測定器を買って、初めて本格的に自分のゴルフをデータ解析し、洗い直した。ショットの精度、パットの安定感を増した成果が、形になった。1番で8メートルの下りスライスラインを流し込み、バーディー発進。最終日のホール別難易度1位の8番パー3は、5番ユーティリティーで右からの強風に負けない、低く強い球を打ち、ピン左2メートルへ。「絶妙の場所に落ち、絶妙の場所に止まった」と自画自賛する会心のバーディーを奪った。

ツアーに帯同し、手厚くサポートしてくれる母香奈子さんに感謝したい。地元宮崎市で見守ってくれる父賢一さんへの思いも特別だ。「いつもネチネチ、嫌なことを言ってくる。腹が立つけど、冷静になって考えると、間違ったことは今まで1つもない。嫌な役回りを引き受けて、私の闘争心をかき立ててくれます」。オフには練習パートナーになり、自分の成長を支えてくれる。

ツアー2勝目が、女子プロ日本一決定戦の国内メジャー。「この大会に勝つことが、どれだけ大きなことか。光栄です。これからは常に優勝争いをして、常に上位にいられる選手になっていきたい」。若手でも、中堅でもない25歳は、黄金、ミレニアム、新世紀の「壁」になる。【加藤裕一】

▽前週優勝の小祝は6位 ショートアイアンが左右にブレて、グリーンにものらない状態。大変な1日でした。でも、調子が良くない中でもイーブンで回ってトップ10ですから。

▽バーディーなしの76で7位。身長150センチの新人西村 最終日最終組ですごくいい経験ができました。こういう経験をたくさんできる選手になりたいです。

▽永峰と同学年、18番バーディーで2位の木村 最後、めっちゃうれしいです! もう少しバーディーパットをたくさん打てるショット力をつけたいですね。