プロ7年目の永峰咲希(25=ニトリ)が国内メジャー初優勝を飾った。

5バーディー、2ボギーの69で回り、通算12アンダーの276。スタート前の首位との2打差を逆転。18年フジサンケイ・レディース以来、2年ぶりのツアー2勝目が女子プロ日本一決定戦になり、3年間の複数年シードも手にした。黄金世代、ミレニアム世代と、台頭著しいツアーで“25歳のお姉さん”が、若手の壁になる。

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最終組の1つ前でプレー終え、永峰はスコア提出所出口で優勝の瞬間を見届けた。1打差のV。「2勝目まで長かった。次はもっと早く勝ちたい」と笑った。

初Vから2年5カ月の期間に、黄金世代などが芽を出し、自身は昨季賞金ランク45位でシードを守った。「もう若手ではない」と苦笑いする25歳は「私たちもみんな、頑張っています」。アマチュア時代から柏原明日架、堀琴音らと一緒に注目を集めてきた。

昨季終了後、百数十万円のスイング測定器を買い、本格的に自分のゴルフをデータ解析した。成果は形になった。1番で8メートルのチャンスを決めた。最終日のホール別難易度1位の8番パー3は、5番ユーティリティーで強風に負けない球を打ち、ピン左2メートルへ。「絶妙の場所に落ち、絶妙の場所に止まった」と自画自賛のバーディーを奪った。

ツアーに帯同してくれる母香奈子さんはもちろん、宮崎県庁勤めの父賢一さんにも感謝したい。「いつもネチネチ、嫌なことを言ってくる。腹が立つ。でも、冷静になって考えると、間違ったことは今までひとつもない。嫌な役回りを引き受けて、闘争心をかき立ててくれる」。オフには練習パートナーになり、成長を支えてくれる存在だ。

ツアー2勝目が、女子プロ日本一決定戦の国内メジャーになった。「この大会に勝つことが、どれだけ大きなことか。光栄です。これからは常に優勝争いをして、常に上位にいられる選手になっていきたい」。若手でも、中堅でもない25歳はもっと強くなって、黄金、ミレニアム、新世紀の後輩たちに立ちはだかるつもりだ。【加藤裕一】

<永峰咲希の使用クラブ>

▼1W=テーラーメイド SIMマックス(ロフト角9度、シャフト=フジクラ スピーダー569 EVO7、硬さS、長さ45・5インチ)▼FW=SIMマックス(3W15度)▼ユーティリティー=SIMマックス(3U19度、5U25度)GAPR Hi(6U28度)▼アイアン=P760(6~PW)▼ウエッジ=ミルドグラインド2(50、54、58度)▼パター=トラスTB1▼ボール=TP5

◆永峰咲希(ながみね・さき)1995年(平7)4月28日、宮崎市生まれ。ゴルフは11歳から。宮崎日大高の3年間、ナショナルチームのメンバー。12年日本女子オープンでベストアマ。14年プロテスト合格、15年から昨季まで5年連続賞金シード、18年フジサンケイ・レディースでツアー初優勝。昨季賞金ランク45位。師匠は池田兼武。158センチ、58キロ。