渋野日向子(21=サントリー)が、優勝した昨年11月の大王製紙エリエール・レディース最終日以来、約10カ月ぶりの60台となる67をマークし、52位から21位に急浮上した。

6バーディー、1ボギーで通算4アンダーの212。18ホール合計パット数は今季最少の25で「100点に近いゴルフ」と、納得の内容だった。畑岡奈紗も67を出し、通算6アンダーで14位に浮上。河本結は同2オーバーとして58位に後退した。ネリー・コルダ(米国)とブルック・ヘンダーソン(カナダ)が、通算12アンダーで首位となっている。

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パターを持った左手で、キャディーとグータッチを交わした渋野が満面の笑みを見せた。9番パー5で、7メートルのロングパットを沈めて連続バーディー締め。最高の形で、10カ月ぶりの60台となる67をマークし「100点に近いゴルフができた」と声を弾ませた。前日の第2ラウンド(R)は、最終18番でダブルボギー。ラスト2ホールでスコアを3つ落とし「上がりの自分の情けなさにすごい腹が立っている」と話したが、正反対の終え方で雪辱した。

第2R後の練習前に青木コーチに「(予選を)通ったら、こっちのもんだ」と言われ「ちょっと気分が変わった」と、怒りが収まってきたという。さらに「昨日の夜ご飯の時に、青木コーチに『明日(第3Rで)60台を出したらステーキをおごってあげる』と言われたので、60台は出したかった」と笑いながら舞台裏を明かした。怒りを引きずらず、今季4戦目で初の予選通過に「今年初の土曜日のゴルフ」と前向きに臨めた。

この日はスタートからパットがさえた。10番パー4で8メートルのパットを沈めてバーディー発進。総パット数は25で、今大会第1Rの28を上回る今季最少。ともに予選落ちした8月の英国2戦計4Rの平均33・25パットよりも8打以上少なかった。「思ったよりも良いスコアが出て正直ビックリだけど、すごいうれしい」。何よりも明るさが戻った。

第2R後半は4つスコアを落とし、決勝Rの2日間はそれを取り返す戦いと位置づけていた。だが、わずか1日で補って余りあるほど、スコアを5つも伸ばした。「昨日の後半の分を全部取り返すことが1日でできた。明日(最終R)は攻めのゴルフを。しっかりと攻めて、良いスコアで、笑顔で終わりたい」。本来の笑顔と積極的なゴルフを取り戻し、昨年のメジャー覇者が、米国で真の実力を見せつける。