渋野日向子(21=サントリー)が8打の大たたきで最下位に沈んだ。46位から巻き返しを狙ったが、スタートの10番パー4の4オン4パットが響き、76の通算11オーバー、221で最下位の73位に転落した。畑岡奈紗は68をマークし、通算1アンダーで10位に浮上。金世■(韓国)が7アンダーで単独首位に立った。

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渋野の表情が凍り付いた。開始の10番パー4。第2打をグリーン手前の池に入れた後の第4打。ピンをねらったボールは、手前でバックスピンがかかり傾斜も手伝って、グリーンのふちまで20メートル以上も戻った。

「思った以上に返ってきて、ビックリ。もうその後はぼう然でした」というように、そこから悪夢の4パット。池ポチャのシーンは「ミスヒット」と自分を納得させられたが、第4打は渋野の想像を超え、判断力を失わせた。結局10番の8だが響き、76と大きくスコアを落とし最下位に沈んだ。

パー4での8打以上の大たたきは、17年9月の日本女子オープンの第1日14番パー4でたたいた「9」以来。最下位は、昨年4月のKKT杯バンテリン・レディース初日以来のことだった。

第1日のイーブン13位発進から、第2日は75。「自分の悪いところがすべて出てしまった」と予選通過も果たし前向きに巻き返しを図ったが、第3日はさらなる苦難が待っていた。

それでも渋野は、終了後の会見で前向きだった。後半は徐々に自分を取り戻し、危なげないプレーでパーを重ねていた。「伸びしろしかないのが、すごく実感できる。今日とか、本当に悔しいというか、より手に負えないというか、自分のレベルでは本当に無理だなと実感した」。会見で話しながら、自分の頭を整理し自分を取り戻した。

海外でプレーした選手のほとんどが課題に挙げるドライバー飛距離の問題も、自分の中で考えをしっかりまとめていた。「ここに来るまでは飛距離が必要だとすごく思っていたけど、飛距離どうこうの問題じゃなく飛距離以外のところでも何打も縮められると今日すごく実感した」。海外遠征の6戦でやるべきことは1戦1戦クリアになってきた。「日本に帰ってやるべきことが、今までと変わってくる」と飛躍につながる大きな収穫を得た。

※■は火ヘンに英