ミレニアム世代(00年度生まれ)の旗手・古江彩佳(20)が「20歳179日」で、ツアー史上3番目の年少2週連続V&通算4勝を達成した。2位に2打差の首位で出たこの日、4バーディー、2ボギーの69で通算15アンダー、269とし、同組の新世紀世代(01年度生まれ)笹生優花(19)らを振り切った。宮里藍、畑岡奈紗に次ぐ“年少記録ホルダー”のパーセーブ率は92・2764%と歴代最高ペース。驚異の安定感でツアーを席巻する。

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優勝スピーチで壇上に上がった古江が、頭上にあったマイクを手で下げた。153センチの勝者は「最後の3パットはかっこ悪かったですけど…」とばつが悪そうに笑った。最終18番で10メートルのバーディーパットを4メートルもオーバー、返しを外し、ウイニングパットがボギーパットになった。

ボギーを打たない、というモットーがある。この日は2、6、9、10番でアイアン、ウエッジを4メートル以内のチャンスにつけ、4バーディーを奪ったが、ボギーも2個あった。だが、第3ラウンド(R)まで、第2R8番でショットがバンカーに刺さった不運なダブルボギーこそあったが、ボギーはゼロだった。今季まだ13戦41Rながら、パーセーブ率は92・2764%。16年賞金女王イ・ボミが樹立した歴代最高91・0112%を上回る。

元6年連続女王不動裕理は00年からの戴冠期はずっとパーセーブ率1位だった。古江がゴルフを始めた頃に知り、今も最大の目標の「賞金女王」は不動が始まりだった。

今季ツアー最多3勝目で、賞金ランクは1位笹生と約1615万円差の2位に浮上した。畑岡、渋野、鈴木に次ぐ4番目の東京五輪代表争いも、世界ランク30位から20台半ばへの上昇が予想され“出場3枠”に接近する。あの不動を連想させる20歳は「開幕前は“頑張っても(シーズン)1勝”と思ってました。うれしいです。2週連続優勝はすごくうれしい」と初々しく笑ってみせた。【加藤裕一】