米カリフォルニア州ロサンゼルス(LA)郊外で23日に起きた自動車横転事故で米男子ゴルフのスーパースター、タイガー・ウッズ(45)が重傷を負ったことを受け、同州の弁護士が「市に法的責任がある」と米USAトゥデイ紙に語っている。

ウッズは午前7時過ぎにテレビの撮影のため事故現場近くにあるゴルフ場に単身で向かう途中、コントロールを失って中央分離帯を越え、車が数回転して大破する大事故で九死に一生を得た。

事故現場はランチョ・パロス・バーデス市とローリング・ヒルズ・エステーツ市の境界付近の坂とカーブが多い幹線道路で、特に下りは制限速度の約72・4キロよりもスピードを出す車が多いことから地元では事故の多発地帯として知られている。

LAタイムズ紙によると、今年に入ってからだけでも近隣で13件の事故が起きており、4人が負傷し、うち2人は重傷だったという。また、過去にはコントロールを失ったトラックが衝突して炎上する事故で死者も出ていると報じており、120キロを超える猛スピードで走行して逮捕された車もいると伝えている。

今回と同様の事故で多数の弁護を務めた経験があるカリフォルニア州の弁護士は、「市がこの道が危険であると警告する標識を出すべきデータになりうる」とコメント。その上で、信号機やスピードバンプの設置、道路の再設計や法定速度を下げるなど危険を緩和する措置を取っておらず、それを怠ったことによって事故が起きた可能性があり、両市が法的責任を負うべきだと語っている。地元メディアによると、ウッズが事故を起こした当日も現場近くで別の事故が起きていたという。

ウッズは緊急手術を受けた病院からLA市内の新たな病院に転院して治療を続けており、26日にはSNSで新たな声明を発表。「転院して今朝、引き続き負傷箇所の治療を受けました。処置は成功して回復に向かっており、精神的にも良い状態にあります」と報告し、ウッズと家族からこの数日間の素晴らしいサポートと激励に感謝を述べている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)