米男子ゴルフのタイガー・ウッズ(45)が2月23日に起こした単身の自動車事故の原因を巡り、居眠り運転だった可能性が浮上している。交通事故の調査分析を行う専門家が米USAトゥデイ紙の取材で明かした。現場は下り坂の緩いカーブで、スピードを出しすぎてコントロールを失った可能性が取りざたされているが、事故後に現場を訪れて調査した元警察官の調査員は「典型的な居眠り運転のケースだ」とコメントしている。

事故現場は右カーブになっているもののウッズの車は直進して中央分離帯を乗り越えて横転していることから事故を起こした時は無意識状態だった可能性を指摘。カーブの手前にブレーキ痕がなく、横転する直前までブレーキを踏んでいなかったことからも、発作など医学的な問題で意識がなかったか居眠りをしており、分離帯を越えるまで気が付かなかったと考えられると語っている。26日にはウッズの財団がツイッターで治療を受けて順調に回復し、精神的にも良い状態だとコメントを発表している。

両足を複雑骨折する重傷を負ったウッズは選手生命への影響が懸念されているが、フロリダ州ブラデントンで開催中の世界選手権シリーズ(WGC)ワークデイ選手権の最終日となった28日、多くの選手がウッズの勝負服である赤黒のウエアでエールを送った。ローリー・マキロイ(英国)やパトリック・リード(米国)、ジャスティン・トーマス(米国)らがウッズの最終日の定番として知られる赤いシャツに黒のズボンに身を包み、回復と復活に願いを込めながら最終日を戦った。優勝したコリン・モリカワもラウンド後のインタビューで、「本当に生きていてくれて良かった。いくら感謝してもしきれないので、タイガーにありがとうと言いたい」とウッズの事故について語っている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)