パティ・タバタナキット(21=タイ)が、ツアー初優勝を4日間全て首位を守る完全優勝で飾った。2位に5打差をつけてスタートし、1イーグル、2バーディー、ボギーなしの68で回り、通算18アンダー、270。大会記録の62をマークし、猛追してきたリディア・コ(ニュージーランド)に2打差をつけて振り切った。

ウイニングパットを決めると、すぐにカップから拾い上げたボールを持った右手で力強くガッツポーズをつくり、笑顔を見せた。直後にキャディーと抱き合って喜びを分かち合った。さらに駆け寄った仲間から水やシャンパンをかけられて祝福。今大会の優勝者の“儀式”となっている、18番グリーン横の池に飛び込む前から、びしょぬれになった。「本当に夢がかなった。いつか必ず、あの池に飛び込みたいと思っていた」。その後、表彰式前にキャディーと2人で、助走をつけて勢いよく池に飛び込み、満面の笑みを見せながら両手を振った。

2番パー5で、ラフからのアプローチを直接決めるチップインイーグルで勢いに乗った。それでも「7番までは緊張していた。ゆっくり歩くとか、冷静にプレーしようと心がけた」と、ツアー初優勝をメジャーで達成という悲願に、重圧を感じないわけがなかった。リーダーボードも「気にするのが嫌で見なかった」と、自分のゴルフと向き合うことだけ考えた。すると8番パー3でバーディー。緊張がほぐれ、最後までボギーなし、4日間全て60台となる68で回りきった。幼少期にタイガー・ウッズ(米国)に影響を受け、ゴルフを始めた新鋭が、男女を通じて今年最初のメジャーで頂点に立った。