米女子ツアーの今季メジャー初戦ANAインスピレーションで日本勢はなぜ活躍できなかったのか。プロゴルファーの佐伯三貴氏(36)がメンタル面から河本結、渋野日向子、原英莉花の3選手を分析した。

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河本は第3日のバックナインで伸ばせていればと悔やまれます。第1日はロングホールのボギーが多かったのですが、第2日はいい感じになっていました。第3日は、前半から自分の組にスロープレーの警告が入り、集中力が乱されたと言います。プレーに集中していく中で、自分の持ち時間をいかにうまく使うかもプロであれば大事なこと。彼女の場合、いろいろ考えてしまったりするとプレーが長くなるというのは、課題だと思います。決断力や即決力も必要なのです。

渋野は、惜しかったけど、伸び悩んで殻を破れていないのかなと思います。アイアンが多少ピンに寄らなくても、パッティングが決まっていれば、メンタルにも余裕が持てたと思います。アプローチ、パターをしっかりやり直して、自信をつけてセーブ率を上げていけば、気持ちの問題も解決すると思います。

渋野は試合後のコメントを聞いていると、自分の中でちょっとぶれているのかなと感じました。ポジティブに前向きな話をするかと思えば、自分に厳しくもなる。私も選手のときにメンタルコーチをつけていましたが、選手は自分に厳しくなってしまいがちです。そこを受け入れて、ダメな自分を受け入れられることができれば、プレーに自信が生まれます。みんなプロだから技術的にはそんなに変わらない。だからメンタルが大事になってくるのです。

原も、おばあさまが亡くなって、複雑な気持ちで大会に臨んでいたと思います。いろいろなことを考えてプレーに集中できなかった部分はあると思います。3選手それぞれに、メンタル面でうまくいかない部分があったと思います。でも、これはみんなが通る道。アスリートは上で活躍すればするほど、孤独で苦しくなるものです。自分のメンタルがしっかり維持できるよう、工夫できるようになることも大切です。