米男子ゴルフのスーパースター、タイガー・ウッズ(45)が2月23日に両脚を骨折する大けがを負った米ロサンゼルス郊外で起こした自動車事故の原因が、法定速度より60キロ以上速度超過していたことによるものだったとの結論が7日、発表された。

単身で運転中に中央分離帯を越えて横転し、車が大破した大事故を巡っては、回収されたブラックボックスの分析が終わり、事故原因が特定されたものの同選手のプライバシーが懸念されることから公表は差し控えられていた。

しかし、このほど本人の了承を得たとしてロサンゼルス郡保安官が、事故当時にウッズは時速84~87マイル(約135~140キロ)で運転していたと発表。

また、木に衝突するまでブレーキを踏んだ痕跡はなく、アクセルを踏み続けていた状態だったことも明らかにした。事故現場は緩やかな下り坂のカーブで制限速度は45マイル(約72キロ)だったことから、スピードが原因でカーブを曲がり切れなかったと結論付けた。また、パニックからブレーキとアクセルを踏み間違えた可能性も指摘している。

ウッズは取り調べで運転前にアルコールや薬物、処方薬などは摂取していないと証言しており、それらを裏付ける証拠もないため、刑事責任を問うことはないとの考えをあらためて示している。

また、単身の事故で事故当時の記憶がないと本人が語っていること、目撃者がいないことなどを理由に法定速度違反のチケットを切ることもないと説明している。

ウッズは現在、フロリダ州の自宅に戻って治療とリハビリを続けている。事故後は公の場に姿は見せていないものの、選手仲間の何人かとは連絡を取り合い、SNSでファンに向けたメッセージも投稿している。

ウッズは警察の発表を受けて公式アカウントを更新し、事故を通報した人や現場に駆け付けた救急隊員、捜査当局への感謝の言葉を投稿。「引き続きけがの治療と家族のことに集中します。そして、このつらい時期に支援と励ましをくれたすべての人々に感謝します」とメッセージをつづっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)