男子ゴルフの今年最初のメジャーが開幕し、日本人で唯一出場の松山英樹(29=LEXUS)が、首位でホールアウトした。

1イーグル、2バーディー、1ボギーの69で回り、3アンダー。松山がホールアウトした時点で、ラウンド中のリーシュマン(オーストラリア)、先にホールアウトしていたハーマン(米国)と3人が首位で並んだ。

8年連続10度目のマスターズの第1日は、日本時間8日午後10時48分にスタートした。1番パー4でバーディーパットこそ決められなかったが、難なくパーをセーブすると、2番パー5で最初のバーディーを奪った。5メートルのパットを決めてバーディーを先行させた。5、6番と2・5メートルのパットを決めてピンチをしのいでパーを拾うと、8番パー5でマスターズでは4年ぶりとなるイーグルを奪った。フェアウエーからの第2打を7メートルにつけ、長いイーグルパットを決めた。9番パー4は、わずかにバーディーパットを外してパーとしたが、3アンダーの単独首位で折り返した。

後半に入ると、3ホール連続パーの間に3人に追いつかれた。すると13番パー5で2つ目のバーディー。第2打がミスショットとなったが、池に落ちずに傾斜の途中で止まる幸運を生かし、最後は4メートルのバーディーパットを沈めた。この時点で4アンダーとし、再び単独首位に立った。

だが17番パー4で、この日好調だったグリーン上で3パットを要し、初のボギーをたたいた。一時は3位に転落したが、18番パー4で、2度バンカーに入れながらパーをセーブする間に、上位がスコアを落とし、再び首位に並んで第1ラウンドを終えた。

ホールアウト後は「グリーンがタフな状況なので(ボギーの)17番以外はすごく良いプレーができたと思う」と、手応えを口にした。特にピンチをしのぐパーパットを次々と決めたことには「流れが悪くなりそうなところで、入ってくれたのはよかった」と、納得の表情で振り返った。

東北福祉大に在学しながらプロに転向した13年以降、松山は特定のコーチを付けたことがなかった。だが今年からコーチとして、目沢秀憲氏を迎えた。その効果については「いろんなアイディアが出て、新たな発見が毎日あって、それがいい方向、悪い方向、両方に行きますけど、今日はいい方向に行きました」と、笑顔を見せながら話した。

この日のグリーンについては「速さだけだったら、今までもあったけど乾燥しているので。9番のグリーンなんかは、ビックリするほど乾いている。ボールが止まるのが不思議なぐらいの感じ。かなりドライ。何カ所か乾いているグリーンがあるので、そこは要注意」と、第2ラウンド以降も警戒が必要と自らに言い聞かせていた。それだけに「ティーショットをフェアウエー(に置いて)、いいところからセカンドを打たないと、チャンスにもつかない。そこから、しっかりとマネジメントしないといけない感じ」と、気を引き締めていた。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨年は初めて11月に無観客で開催されたが、今年は例年通り4月に、限定的ながら観衆を入れて開催されている。ハリス・イングリッシュ(米国)、アブラハム・アンサー(メキシコ)と同組で回った。