21年のツアー優勝者3人が、通算3アンダーの暫定1位に並んだ。全114選手が日没順延になった第1ラウンド(R)が再開され、今年2勝の小祝さくら(22=ニトリ)は第1、2Rの計29ホール(H)、同じく2勝の稲見萌寧(21)は28H、1勝の岡山絵里(24)は27Hをプレー。小祝は最終3Hは走って回り、日没順延を間一髪免れ、最終日は3人が最終RのみでV争いを繰り広げる。第2Rは25人が日没順延となった。

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小祝が走った。徐々に傾く太陽に追われるように、第2Rの残り3ホール、ショットの後、ホール間…。最終9番パー4で第2打地点に走り出した午後6時26分、サスペンデッドを告げるホーンが鳴ったが、プレー中のホールは完了しても良く、パーで締めくくった。

「無事に終われて良かったです」。この日は午前7時30分から第1Rの残り11ホールをプレーした。「朝は眠くて、スタート前は“お布団に入りたいな…”と思っていました」。それから約11時間後に日没間際は「おなかがすいてきて(夕食が)モチベーションになった」と笑った。

2週連続優勝を狙う稲見は、朝から28ホールを回ってヘトヘトだ。「今までにない疲労感。放心状態になるぐらいで、背中と腰がバッキバキです」。1組後ろだった小祝同様、日没に追われた。同組の鈴木が8番を1番早く終えると、最終9番ティーに向かい、第1打を放ち、第2R終了の“権利”を獲得。9番グリーンでパーパットを沈めた後、ホーンを聞いた。

稲見の1組前だった岡山は比較的余裕を持って、第2Rを終えた。27ホールを回った1日を「若干不発っぽい感じ」と言い「明日は頭を使って、攻守のメリハリをつけたい」と言う。

21年の5戦を制した優勝者3人のロングラン、壮絶バトルは最終日へ。第2Rを残せば、約4時間の早起きが必要だった。最も旬な3人が正々堂々、残り18ホールで決着をつける。【加藤裕一】