松山英樹(29=LEXUS)が、日本ゴルフ史上最大の偉業を達成した。4打リードで迎えた最終ラウンド。安全圏と思われたが、15番で池ポチャするなど後半に差を詰められた。最後の米ツアーVから3年以上も未勝利。もがき苦しみ、初めてコーチをつけるなど自己変革を敢行。そんな執念でスコアを73にまとめ、通算10アンダーの278と1打差で逃げ切り、日本男子初のメジャー制覇を実現した。次戦は5月以降の見通し。松山の快挙に、ウッズら多数の著名人が祝福コメントを出した。

今年からタッグを組む目沢秀憲コーチ(30)が松山を支え、偉業を後押しした。12日、日刊スポーツの取材に書面で応じ、その指導や勝利のポイントなどについて語った。

松山は昨年までを「自分が正しいと思いすぎていた」と分析。それが「今は客観的な目をもらいながら正しい方向に進んでいると思う」と話していた。

目沢コーチは、昨年からの松山の大きな変化について「コーチをつけたことが一番の変化」と答えた。具体的な指導は、測定器を用いたデータ分析を挙げた。数値を見ながらお互いにアイデアを出し合い、試行錯誤。これがプロになってコーチをつけてこなかった松山にとって新鮮だった。

勝利のポイントにも、2人による頻繁な意見交換を挙げた。当初は意思疎通にズレが生じていたが、マスターズまでの約2カ月半で修正。目沢コーチは「試合の映像やショットデータなどを見ながら、いろいろなことを日々話し合ってきました。私自身も2カ月半という時間、1人の選手をフルサポートするのは初めて。問題を1つ1つ解決してきたことが、今回の優勝につながったのではないかと思っています」と語った。