史上5人目のアマチュア優勝を目指した中島啓太(20=日体大)は優勝した金谷拓実(22=フリー)と1打差の通算10アンダー、203の2位で大会を終えた。

あと1歩だった。「優勝を争いたい」と熱望していた2学年上の金谷との最終組でのラウンド。最終18番では「応援してくれている方々にアピールしたかったし、絶対に入れたいという思いでボールを置いた」と集中して約10メートルのパットを決めてガッツポーズ。最後まで食らいついたが及ばず、ラウンド後は「優勝したいと思っていましたし、本当に悔しいです。次の機会にリベンジしたい」と声を震わせた。

耐えながらチャンスをうかがった。金谷とは2打差の3位で発進。4番で初バーディーを奪った金谷に対して5番でボギーを喫してしまうなど、一時は4打差まで差が開いた。それでも諦めずに8番で15メートルのパットを決めると、12番、そして18番でもバーディーを奪って巻き返しての1打差。中島は「長いパットが入ったのは応援してくれている方々のおかげ」と口にする一方、金谷と差を感じたのもパッティングだったと明かした。「金谷さんはピンチでもパーセーブできていた。追い詰められたとも思っていません。金谷さんとの1打差には大きな差があると感じました」。

昨年11月には松山英樹、金谷に続く日本人3人目の世界アマチュアランキング1位にも輝いた逸材。今後は再来週の中日クラウンズ(4月29日~5月2日、愛知・名古屋GC和合)で再びプロの大会でプレーするといい、金谷からはラウンド後に「中日でまたやろうね」と声をかけられた。中島は「応えられるように頑張りたい。アマチュアで世界一をとって、最強のアマチュアとしてプロになりたい」。男子ツアーでのアマチュア優勝は松山、金谷もともに達成してきた。「今回の思いは絶対に忘れてはいけないと思っています」。またひとつ経験を重ね、中島は先輩たちを追いかけていく。【松尾幸之介】