日本ツアー通算21勝で、15、16年賞金女王のイ・ボミ(32=韓国)が、自己ワーストの5戦連続予選落ちから、スランプ脱出を予感させる好発進を切った。3バーディー、ボギーなしの68で9位。不調の要因だったショット改善と、海を望む絶景の名門コースに気分も乗った。17年8月を最後に4年近く優勝から遠ざかるが、首位の永峰咲希とは3打差。19年12月に韓国人俳優イワンと結婚後、ミセスで初Vも射程にとらえた。

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ラウンド中からイ・ボミは笑顔があふれた。今大会は4年ぶりの出場。過去に優勝こそないが、2年連続賞金女王の16年は4位、15年は2位と、無敵の当時を思い出したようにショットがさえた。7番パー4で第2打を3メートルにつけ、最初のバーディーを奪うと危なげなくボギーなしで回りきった。「風もなく天気も良くて、海を見ながら素晴らしいコースでプレーできることに感謝して回った。コロナがなくなったら家族でここでプレーしたい」。夫イワンさんとの良好関係も4年ぶり優勝を後押しする。

最近7戦では6度予選落ち。5戦連続予選落ちが続くが、前週に浮上のきっかけをつかんだ。腕の力だけに頼っていたスイングを、全身を使って大きく振ることを心がけ今週につなげた。「予選落ちは悲しいけど、スイングが良くなれば成績も良くなる」と、内容にもこだわってきた。

コロナ禍で昨年は来日が遅れ、昨年と統合された今季の賞金ランキングは77位。「韓国は(規制が)厳しく、1日2時間しか練習できなくて」と、オフの様子を明かす。それでも「お互いに時間が合えば」と、夫とは定期的なテレビ電話で心を癒やす。以前にはなかった愛の力は復活へプラスに働きそうだ。