19年賞金女王の鈴木愛(26=セールスフォース)がV戦線での決勝ラウンド(R)進出を濃厚にした。3打差5位からスタートし、6バーディー、1ボギーの67で通算8アンダー。ホールアウト時点で首位と1打差2位だった。

「昨日は2、3ホールでティーショットをミスしたけど、今日はほぼノーミス。セカンドショットもピン位置によってはセンター狙いで、無理に攻めず、押し引きができたことがすごくよかった」

17、19年の賞金女王が、20-21年シーズンは出場22戦で優勝がない。21年の8戦はトップ10がTポイント×ENEOSの2位1度だけだ。昨年最終戦時は「ゴルフをしたくない」とネガティブさが目立っていたが、そのトンネルを抜けたようだ。

「プロになって以来ずっと、とんとん拍子で来た。今の若い子もすごく勢いがあるけど、きっといつかうまくいかない時期が来る」と言い、現状を受け止めた上で「今はネガティブじゃなく“今をどう乗り切ってやろうか”“どうすればうまくいくか”と前向きに考えられています」と話す。

3週前のKKT杯バンテリン・レディース前の月曜日に髪をばっさり切った。「映像を見て“ロングヘア、似合わないな”と思ったんで。悪い流れを断ちきるという意味でも、いいかなって」。技術的には、2週前のフジサンケイ・レディースで契約メーカー・ピンの担当者に指摘され、調整してもらったドライバーを前週のパナソニック・オープンから投入し、第1打の安定感が戻って来た。

9日の最終日は27歳の誕生日、そして母の日だ。

「あえて言うなら練習を頑張ってるんで、ご褒美(の優勝)を。それより母の日。母はいつもツアーについてきてくれて、いろいろケアをしてくれているので、恩返しをしたいです」

19年女王待望の20-21年シーズン初優勝、16年日本女子プロ選手権以来5年ぶりの国内メジャー3勝目へ。やっと“強い鈴木愛”が帰ってきつつある。