石川遼(29=CASIO)が7バーディー、2ボギーの67と伸ばし、通算12アンダーの204、首位と3打差の4位に浮上した。コロナ禍で拍車を掛けた試合数減少を受け、選手会が初めて主催する新規大会。19年12月の日本シリーズJTカップ以来となる通算18度目の優勝をつかみ、女子人気に押され気味の男子を盛り上げる。宮本勝昌(48=ハートンホテル)が通算15アンダーで首位を守った。

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大事な大会で、石川が気を吐いた。序盤の2番でバーディーを奪って勢いに乗る。ティーショットがディボットにはまった5番の第2打では「想像に頼るしかなかった」と弱めに打って傾斜を転がし、約40センチにつけバーディーを奪う。一時は首位に並ぶなど、66の2日目に続く67の好スコアで4位に浮上した。

副会長を務める選手会主催でつくった新規大会。昨年ツアーはコロナ禍で6試合のみだった。1年たっても状況は変わらず、今大会も当初のスポンサー企業が撤退するなど、一時は開催も危ぶまれた。しかし、選手会の必死の交渉で新スポンサーにサトウ食品を迎え実現に至った。石川も副会長として会議などから関わり、ラウンド前の練習や試合映像の生中継など、現場の声を取り入れた大会を実現。「選手のいろんな思いが詰まっている。やりがいはあります」。

かつて40試合近くを開催していた男子ツアーも2000年代前半から徐々に減り始め、今では20試合台に減少。今年も38試合が組まれた女子とは対照的だ。「ファンあっての僕たちなので。発信し続けるしかない」と危機感を募らせる。

男子人気の起爆剤の1つは、知名度ある自らの活躍だ。優勝すれば19年12月の日本シリーズJTカップ以来、約1年5カ月ぶり。昨年からスイング改造に取り組む最中だが「感覚が身についてきた」と手応えを口にした。先月、同学年の松山がマスターズ初制覇したことも刺激になる。強い思いを胸に、最終日を戦いきる。【松尾幸之介】