女子ゴルフの全米女子オープンで初優勝を果たした笹生優花(19=ICTSI)は粘り強い下半身をベースとした力強いスイングで飛距離十分の正確なショットを次々と放ち、頂点へと駆け上がった。

笹生と用具契約を結ぶクラブメーカー、三浦技研(兵庫県神崎郡)もその偉業を喜び、記念グッズ製作の可能性などを明かした。

同社唯一の女子プロ契約選手として昨年6月からアイアンからピッチングウエッジまでを提供。今大会でも使用しており、営業管理部の寺村次郎さんは「そわそわしながら見ていました。本当にすごいところまでいってしまったなと思っています。弊社の製品がその一助となっていたらうれしいですね」と話した。

笹生が使っているのは人気モデルの「TC-101」。本人の要望もあり、打球が左へ飛ばないようライ角は2度フラットにし、ヘッドも大きく見えるよう研磨して微調整しているというが、基本的には一般ゴルファーでも購入可能なモデルだという。

同社のアイアンなどを使用し始めてから昨年8月の国内ツアー、NEC軽井沢72で初優勝を果たすなど、成績は向上傾向だ。もともと同社製品はタイガー・ウッズがその性能を認めたことでも知られているが、あらためてその技術力の高さが証明される形となった。

寺村さんは笹生の印象について「ニュースなどで伝えられる時は厳しい顔をしていますし、パワーヒッターで強い、怖いといったイメージが先行しがちですが、会うと天真らんまんで、あいさつもでき、誰とでも親しくなれるかわいい女の子です」と口にする。

今大会は深いラフが多くの選手を苦しめたが、笹生は最終ラウンドの勝負どころでここを攻略。ラフからのショットをピン横につけ、ウイニングショットも決めた。寺村さんは今回の偉業を受けた記念グッズの販売などについて、「何か考えたいなと思っています」と語った。【松尾幸之介】