笹生優花(19=ICTSI)が畑岡奈紗(22=アビームコンサルティング)とのプレーオフを制し、大会史上最年少の「19歳351日」で日本女子3人目のメジャー制覇を成し遂げた。

笹生は現在、日本人の父正和さんと、フィリピン人の母フリッツイさんの両国籍を有している。日本では、法務省が「重国籍者は、重国籍となった時が20歳未満であるときは22歳に達するまでに、重国籍となった時が20歳以上であるときはその時から2年以内に、いずれかの国籍を選択しなければなりません」と定義。22歳までは日本とフィリピンの両国籍を保持することが認められている。

一方でオリンピック(五輪)やアジア大会など、さまざまな競技で争われる国際大会は、いずれかの国、地域の代表として出場することが原則だ。

笹生はアマチュア時代、個人、団体で2冠に輝いた18年アジア大会など、一貫してフィリピン代表として活動。米女子ツアー(LPGA)の公式ページなど、国際的にフィリピン人選手として扱われているのは、そういった活動実績が考慮されているとみられる。

また笹生自身も、東京五輪には、出場権獲得が確実なフィリピン代表として出場の意向を示している。女子ゴルフの東京五輪代表は、6月28日付の世界ランキングに基づく、五輪ランキングで出場60人が決まる。各国上位2人に出場権が与えられ、五輪ランキング15位以内に3人以上いる国は、最大4人まで出場権を得られる。

前週40位の笹生は、7日付の最新世界ランキングで大きく順位を上げる見込みとなった。日本勢トップの前週13位で、この日、プレーオフを争った畑岡奈紗に迫り、日本勢2番手で前週24位の稲見萌寧を抜く可能性があるが、女子日本代表の五輪出場権争いには影響しない。

女子の日本代表は、出場権獲得が確実視される畑岡に次ぐ、もう1枚の切符を稲見と、27位の古江彩佳、30位の渋野日向子が争う構図が今後も続く見通しだ。

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