笹生優花VS畑岡奈紗のプレーオフは、レキシー・トンプソンの大失速から生まれた。通算7アンダーの単独首位から笹生と同じ最終組で出て、10番終了時で8アンダー。最大で笹生に6打差、畑岡に8打差つけるなど独走Vを飾る勢いだったが、11番でダブルボギー、14、17番もボギー。1組前の畑岡と同じ4アンダーで迎えた最終18番もボギーにし、終盤8ホールで5つもスコアを落とし、プレーオフすら逃した。

母国米国のナショナル・オープンに勝ちたくて、12歳から15年連続15度目の出場だった。17番パー5でフェアウエーからの第3打をグリーン前10ヤードに大ショートするなど、打ちきれないパットも続いた。「タフな戦いだった。勝負は終盤だとわかっていた。集中するため、リーダーボードは見なかった。今は笑うことはとても難しい。この戦いから学んで次に生かしたい」。悲願への重圧が、世界の飛ばし屋を金縛りにした。