世界最高峰トーナメントで、新世紀世代の笹生優花が黄金世代の畑岡とプレーオフを戦い、勝った。その衝撃は国内の若手プロにどう伝わったのか。

黄金世代の原英莉花(22)はハートに火がついた。2歳下で同じ尾崎将司門下生の快挙に対し「ユウカの優勝はすごいなと思う。ナサちゃんとのプレーオフも、それを制したのもすごい」と言うのは素直な感想だ。

戦いをリアルタイムで見なかった。トレーニングを優先した。「“異次元過ぎるな”って思いたくない部分もあって。見たら、きっとそう思う。もちろん、ものすごく感動して、それを力に変えています」。ライバルでいたいが、今は差を認めざるを得ない。「響きました。自分がどこを目指したいのか、どうなりたいのか。日々の積み重ねが結果を生むとすごくわかった。私も積み重ねていきます」。昨年に“国内メジャー2冠”を達成したが、メジャーは昨年12月全米女子オープン、4月ANAインスピレーションは予選落ち。現状打破に燃える。

笹生と同じ新世紀世代の山下美夢有(19)も、心境は原に近い。「感動した。日本では一緒に(練習)ラウンドもして、ユウカにはいい刺激をもらいながらやっている。自分のレベルを見直した1週間でした」。LINEで全米最終日前に激励し「おめでとう」と連絡すると「ありがとう」と返事があった。

テレビで最終18番からプレーオフを見た。「(笹生は)実力的に上位で戦えると思っていた。私はまだまだ下。負けないぐらい、強くなりたい」。自分も強い米ツアー志向を持ち「ライバルとしてやってる」との自負がある。

一方、ミレニアム世代の古江彩佳(21)は少し違う。「リアルタイムで見てなくて、ニュースで知った」。本来、海外志向より国内ツアーに重きを置く考えが強い。「刺激は受けたけど、考え方はあんまり変わりません。メジャーは(私が)出られるようなところではない、すごい舞台という印象。だから…すごい以上の言葉って何ですか? あり得ないこと」。

笹生の衝撃が仲間に与えた影響は、今後のツアーに表れる。【加藤裕一】