女子ゴルフのメジャー、全米女子オープンを史上最年少で制した笹生優花(19=ICTSI)が7月16日開幕のGMO&サマンサ・カップ(茨城・イーグルポイントGC)で、日本ツアーに凱旋(がいせん)出場する可能性が出てきた。8日、関係者が明かした。7日付の最新世界ランキングは、前週の40位から一気に9位に浮上。プレーオフで競り勝った畑岡奈紗を抜き、初のトップ10入りを果たした。米女子ツアーの今季賞金ランキングも1位に。「世界の笹生」へ名を上げ、日本で成長した姿を披露する。

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世界のトップ選手の仲間入りを果たした笹生が、今夏、メジャー女王として日本に凱旋する可能性が浮上した。全米女子オープン優勝で5年シードを得て、米女子ツアーのメンバー入りを即決。次のメジャー、全米女子プロ選手権(24日開幕、米ジョージア州)まで米国に残り、米ツアーで戦うことは決まっている。その後については未定だが、関係者によると8月4日開幕(女子)の東京オリンピック(五輪)を見据え、国内ツアー1~2戦に出場する可能性があることが分かった。

現時点で日本女子プロゴルフ協会には、ニッポンハム・レディース(7月8日開幕、北海道)までの欠場届が提出されていることが判明。全米女子オープンを制する前から、全米女子プロ選手権までは米国に残る計画だった。帰国後、新型コロナウイルス感染症対策で、2週間の自主隔離期間が必要で、どうしてもニッポンハムまでは出場できない。

念願の米ツアーのシード権を得て、そのまま米ツアーを転戦する選択肢もあるが、関係者はこの日、「東京五輪に重きを置くと、あちこち動くよりも、日本で腰を据えた方がいいという考え。関係各所にお礼とお別れを伝えられる機会にもなる」と話した。今後は未定だが、GMO&サマンサ・カップ出場での国内ツアー出場に傾いているという。

実際に米ツアーは全米女子プロ選手権後、エビアン選手権(7月22日開幕、フランス)、全英女子オープン(8月19日開幕、スコットランド)と、舞台は欧州へ。さらに欧州での両メジャーの間に東京五輪と、コロナ禍で厳しい移動が控える。笹生が優勝した国内ツアー2戦、米ツアー1戦は全て、10日以上前に試合会場近くに入り、入念に体調を整えて制している。その意味でも、初めてのエビアンで慌ただしく過ごすよりも、最初で最後の東京五輪を見据えるのは理想的といえる。

最大でGMO、大東建託いい部屋ネット・レディース(7月22日開幕、北海道)、そして五輪と日本で3戦行う計画。世界ランキングは31ランクも上昇し、ごぼう抜きの9位に。10位の畑岡奈紗を抜き日本女子最上位となった。多額の優勝賞金100万ドル(約1億1000万円)を加え、今季の賞金ランキングは、いきなりトップ。「世界の笹生」へと成長した。常々「目標は世界一」と公言する笹生が、メジャーに続いて五輪金メダルを目指し、日本に帰ってきそうだ。