21年ツアー5勝の稲見萌寧(21=都築電気)が、まさかの逆転負けを喫した。

2位に4打差の首位からスタートしたが、9番でボギーが先行し、3バーディー、3ボギーの72。通算16アンダーのままスコアを伸ばせず、青木に1打差で敗れた。首位で迎えたツアー最終日は5度目で初の逃げ切り失敗。ツアー初の4日間大会ノーボギーVもならず、悔し泣きした。

   ◇   ◇   ◇

最終18番、決めればプレーオフの可能性があったバーディーパットが外れ、稲見は両膝をつき天を仰いだ。「ショットは初日から調子が良くなく、今日はチャンスが作れなかった。“1つでも、少し伸ばせたら”と我慢したけど、ちょっと我慢できなくなりました」と悔し泣きだ。

今大会初ボギーを喫し、ノーボギー優勝が消えた9番パー4。フェアウエーから、6番アイアンの第2打が右に飛び出し、ガードバンカーへ。「魔球が出た。ライはよくなかったけど、あんな右に…」と理解不能なショットに混乱した。

今大会2位でAIG全英女子オープン出場権を得たが、コロナ禍もあり「う~ん…決めていません」と出場の明言を避けた。

東京五輪代表争いは畑岡に続く日本勢2番手(笹生はフィリピン代表)。勝てば五輪出場に前進していたが、3番手古江彩佳と競り合い残り2戦へ。「代表決定までの2試合でなく、前半戦があと2試合と考えています。しっかり優勝争いに絡みたい」。ショックを振り払い再出発を誓った。