ジョン・ラーム(26=スペイン)が、逆転でメジャー初優勝を果たした。首位と3打差の6位から出て、5バーディー、1ボギーのベストスコア67で回り、通算6アンダー、278。2打差を追っていた最終組のウェストヘーゼン(南アフリカ)が、第3打のアプローチでカップに入れることができず、グリーンに乗せるだけにとどまった時点で、優勝が決まった。プレーオフに備えて練習場にいたラームは、今年4月に生まれた第1子の男の子を抱きかかえるなど、家族や仲間と喜びを分かち合った。米ツアー6勝目で、スペイン人としては初の全米オープン優勝となった。

1、2番で連続バーディーを奪い、絶好のスタートを切った。ともにパー4の第2打を、1番は3メートル、2番はわずか80センチにピタリと寄せるなど、ショットが好調だった。後半は、わずかにバーディーパットが外れる展開が続いたが、17番パー4は難しいラインを読み切って7・5メートルのバーディーパットを沈め、雄たけびを上げながら右手でガッツポーズ。18番パー5も、5・5メートルのバーディーパットを決めて、今度は右手を下から突き上げるようにして、さらにド派手なガッツポーズを決めた。最初と最後に連続バーディーを奪う勝負強さを見せた。

2週間前のメモリアル・トーナメントでは、第3ラウンドを終えて2位に6打差の首位と、優勝目前だった。だが第3ラウンド終了後に、新型コロナウイルスの検査で陽性反応を示し、無念の途中棄権。今大会は、それ以来の復帰戦だった。「自分の運命を信じる方ではないが、メモリアル・トーナメントで不運があって、その時から、次はどうやって勝とうかということばかりを考えていた。こうして家族の前で勝てて本当にうれしい」。逃した1勝を、すぐにメジャーで取り返し、喜びをかみしめていた。これで現在、ダスティン・ジョンソン、ジャスティン・トーマス(ともに米国)に次ぐ3位の世界ランキングは、1位に浮上する見込みとなった。