首位に3打差の11位から出た18、19年賞金王の今平周吾(28=フリー)が66で回り、通算8アンダー、134で首位に浮上した。今年はスイングの感覚に悩んで調子を落とし、東京オリンピック(五輪)代表入りも逃した。切り替えて臨む今大会で、統合された20-21年シーズン初勝利をつかみ、3季連続の賞金王獲得へ弾みをつける。今季ツアー初出場の芦沢宗臣(ひろたか、26=田辺CC)も今平と並んで首位に立った。

今平が本来の輝きを取り戻した。インから出て11番から2連続バーディーで勢いに乗ると、後半も好調のショットで積極的にピンを攻めた。最終9番も3メートルのバーディーパットを沈めて締め、6バーディー、1ボギーの66。納得のラウンドに「だいぶ良い感じです。アイアンはほぼ完璧でした」と手応えを口にした。

2年前に2季連続の賞金王に輝いたが、20年は未勝利で、最後の優勝は19年11月のダンロップ・フェニックスまでさかのぼる。復調のきっかけは飛距離や安定感向上を狙って始めた筋力トレーニングを「やめた」こと。昨オフに体を引き締めながら体重を2キロ増やしたが「思ったよりも強く振ってしまうことが多くて、飛びすぎてしまっていた」と逆に距離感が合わなくなり、苦しんだ。スイングに迷いが生じる中で至った結論が、あまり鍛えすぎず「ほどよく」体を動かすこと。「むしろ飛ぶようになったし、疲れもなくなった」。好調時の感覚が戻り、自信を持ってクラブを振れるようになった。

さらなる進化を求めて取り組んだトレーニングがハマらず、その間に星野陸也、金谷拓実らと争った東京五輪代表入りも逃した。昨年延期にならなければ代表当確だっただけに「(調整は)なかなか難しいですね」と本音も漏れたが「切り替えは早い方なので」と引きずる様子はない。今大会はまだ手にしたことのない国内メジャーのタイトル。まずは1勝をつかみ、完全復活への弾みとする。【松尾幸之介】