ミレニアム世代の古江彩佳(21=富士通)が5バーディー、ボギーなしの67のチャージを見せ、最終日を前に通算5アンダーまでスコアを伸ばした。抜群の安定感を見せ、ホールアウト時点で首位と2打差5位に浮上。国内ツアーで現在賞金ランク3位の実力者のメジャー挑戦3戦目。7月末エビアン選手権の4位に続く上位フィニッシュを視界に入れた。

予選ラウンドのホール別難易度1位の最終18番パー4を、古江が切り抜けた。第2打がクリークをかろうじて越え、グリーン前へ。アプローチを60センチに寄せ、パーをセーブした。「セカンドの前にちょっと頭をよぎって…。トップのミスだったけど、ラッキーで越えてくれました」。前日まで2日連続ボギーだった“鬼門”をしのぎ、ボギーなしの好スコア67を作った。

大会第3日で初めて雨が降った。「雨の中で5アンダーで回れるとは思わなかった。雨でもフェアウエーが硬い。そこは日本と全然違う。難しいです」と日本との違いに対応できた1日を笑顔で振り返る。

首位と7打差45位から出て、4、7番パー4でともに第2打をピン1メートル以内につけてバーディー。13、14番も2連続でチャンスを決めた。カーヌスティーの象徴とも言える、難関続きの上がり4ホールも17番パー3のバーディーで1つスコアを伸ばした。

予選落ちした昨年12月全米女子オープンに続くメジャー挑戦2戦目の7月末エビアン選手権で4位となり、フランスからすぐスコットランドへ。10日間の隔離後は他のリンクスを回り、調整した。惜しくも出場を逃した東京五輪は銀メダルに輝いた稲見の最終日18番ホールだけ見たという。「悔しいとかは全然なく、おめでとうと思いました」。気持ちを切り替え、今大会を迎えた。

国内でプロ1年目の20年に3勝し、20-21年シーズンは出場32戦(予選落ちのない2試合を除く)で予選落ち1度、賞金ランク3位の実力が海外でも発揮されつつある。「明日も変わらず、落ち着いて自分のプレーができれば」。21歳らしからぬ落ち着きを漂わせ、最終日に臨む。