渋野日向子(22=サントリー)が、男女を通じて日本人初のメジャー2勝目に大きく近づいた。首位と3打差の12位から出ると、前半9ホールを首位で通過。12ホールを終えて3バーディー、ボギーなしと3つ伸ばし、通算7アンダーでラウンドしている。

後半に入ると、9アンダーで首位のイエリミ・ノー(米国)らに2打差をつけられたが、最終日は逆転へ射程圏の可能性が高い。メジャー初挑戦で優勝した19年に続く、今大会2度目の優勝を目指す。古江彩佳は5アンダーで17位、畑岡奈紗と笹生優花は3アンダーで28位につけている。

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会心のバーディーで、渋野が優勝争いに名乗りを上げた。出だしの1番パー4。第1打は、ほとんどの選手がドライバーを避ける中、追い上げの決意と、攻めの姿勢を示すようにドライバーを握った。ティーショットはフェアウエーをとらえ、グリーン手前まで運んだ。第2打を2メートルにピタリと寄せると、幸先よくバーディー。笑顔がはじけた。

さらに4番パー4も第2打を2メートルにつけ、2つ目のバーディーを奪った。6アンダーとし、この時点で3位に浮上。勢いは止まらず、6番パー5は第3打をピタリと寄せ、難なく3つ目のバーディーを奪った。これでサグストロム(ノルウェー)と並ぶ7アンダーの首位。直後にサグストロムがダブルボギーをたたき、単独首位に浮上した。日本人42年ぶりのメジャー優勝を果たした、19年以来、2年ぶりにリーダーボードの1番上に名を連ねた。

好調のショットが好スコアを後押しした。第2ラウンドはフェアウエーキープ率80%、パーオン率83・3%の高水準。第1ラウンドで「スイングのテンポが早かったので(球が)散っていた」と、ラウンド後の練習でスイングを確認した。アゴの高いポットバンカーから脱出できず、深いラフで空振りと“リンクスの洗礼”に、焦って引きずった昨年から一転。切り返しの際は「ゆったり」を心掛け「ショットがすごく安定した」と自己評価した。

昨年は不慣れなリンクスで105位の予選落ち。同じリンクスだが今年は「去年よりは成長したと思う」とショットが成長した分、余裕を持ってプレー。それが思い切りの良いパットにつながる好循環。2度目の頂点が現実味を帯びてきた。