第2日まで連日ホールインワンをマークし、首位で出た畑岡奈紗(22=アビームコンサルティング)が5バーディー、1ボギーの67で回り、通算16アンダー、197で今季2勝目を挙げた。18年に米ツアー初優勝を果たした大会を再び制し、米ツアー通算5勝目。日本女子では最多17勝の岡本綾子、9勝の宮里藍に次ぐ歴代3位となった。同組のミンジ・リー(オーストラリア)とチ・ウンヒ(韓国)が1打差の2位。笹生優花は通算14アンダーで4位に入った。

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接戦を制し、畑岡が今季2勝目をつかんだ。最終18番パー5。イーグルも狙えるホールを同組のリーと1打差、チ・ウンヒと2打差で迎えた。畑岡は2オンに成功。バーディーなら逃げ切り濃厚の中「どう打ったか覚えていない」と手が震え、3パットのパー。プレーオフ突入の可能性もあったが、2人もスコアを伸ばせずに優勝が決まった。

3年前の初優勝時は力強く右手でガッツポーズしたが、今回は軽く右手を上げただけ。表情もこわばったまま。「今まで優勝した中で一番緊張した。思い出深いコースで2勝目をあげることができてすごくうれしい」。インタビューでようやく笑顔になった。

初日、2日目に2日連続ホールインワンを達成。ショットの安定感が光ったが、今季序盤はそのショットに苦しんだ。「長年の目標」と金メダルを目指して臨んだ8月の東京五輪は9位。母の博美さんが「隠れて泣いていたと思う」というほど落ち込んだ。そこから気持ちを切り替え、最終日もパーオン率は94・4%。「アイアンの状態は上がっていたんだと試合で確認できた。来週以降もしっかり頑張りたい」と復調の手応えもつかんだ。

今季獲得賞金は140万3159ドル(約1億5540万円)となり、ランキング2位に浮上。1位ネリー・コルダ(米国)とは約54万ドルの差があるが、好位置につける。畑岡は「(憧れの宮里)藍さんは(米通算)9勝。ここからは10勝を目指してやっていきたい」と力を込めた。