大会史上6人目の3勝目と連覇をかけ、稲森佑貴(27=国際スポーツ振興協会)が最終日の6打差逆転に挑む。

この日は3打差7位から出て、6バーディー、2ボギーの67で通算12アンダーの3位に踏ん張った。首位を独走する巨漢ショーン・ノリス(39=南アフリカ)を必死のチャージで追いかける。

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悪い1日ではなかった。やっかいな序盤3ホールで2バーディーを奪うなど、稲森は67で4つスコアを伸ばした。「2桁アンダーにするのはマストと思っていた。5つは伸ばしたいと思っていて、1歩足りなかったけど」と通算12アンダーにした自分を認める。ただし、規格外の強敵が1人いた。「彼が爆走した。もうね天敵なんです」と苦笑いした。ノリスだ。

ツアー2勝がそのまま今大会という“日本オープン男”稲森が初優勝した18年大会。2位に3打差で迎えた最終日、逃げ切りを計る自分を65を出し、2打差まで追い詰めたのがノリスだった。「平気で4連続、5連続(バーディー)しちゃうから。いつも尻上がりで伸ばしてくるんです」。188センチ、100キロの巨体から、コントロールの利いたドライバー、精度の高いウエッジでぐんぐん迫ってくる。「あの時は僕が逃げる立場。今回は追いかける立場。でも、あんな戦車みたいな人相手なら、追われるより追いかける方がいいですよ」とこぼした。

勝負の最終日。ポイントにパットをあげて「グリーンの傾斜がきついので、距離が残ってもピン手前につけたい」。攻めることだけ考える。がむしゃらにノリスを追っかける。【加藤裕一】