渋野日向子(22=サントリー)が2週連続優勝にまた1歩近づいた。前半はほぼ完璧な内容。

「ボギーを打つ要素がないような安定したゴルフができた」と1番からの3連続を含む6つのバーディーを重ね、折り返し時点では首位。後半は13番で今大会初ボギーをたたくなど苦しみながらも粘り、この日のベストスコア66で回りきった。

首位の勝と古江に1打差につけ、国内ツアーでは19年8月のNEC軽井沢72以来、約2年ぶりの最終日最終組で回る。「狙えない位置ではないですし、狙わないわけにはいかない位置」と意気込んだ。初日に「気持ち悪い」と表現したショットの不調も「寝たら直るかなと思って」と15日のラウンド後の練習を早めに切り上げる“渋野流”荒療治で見事に復調。フェアウエーキープ率は向上し、パーオン率は全体トップに躍り出た。

強さを取り戻した要因には心技体のバランス向上も挙げられる。精神面では「前よりは大人になったかな」とミスをしても焦り過ぎず、冷静な攻めが徹底できるマインドコントロールができるように。技術面では米国遠征などで種類の違う芝生を多く経験したことから、ウエッジを4本に増やしグリーン周りの精度が上がった。体力面では専属トレーナーの斉藤大介氏と取り組んできたチューブなどを用いたトレーニングで下半身や体幹を強化。ひと回り大きくなった強靱(きょうじん)な体をベースとしたスイングで飛距離が伸び、好成績に直結させた。

最終日は朝から雨予報となっている。渋野は「風も予報では逆になるし、また違ったゴルフになる」と警戒。「出だしから攻めていけるかというと難しいかもしれない。1打1打集中して、リスクの少ないゴルフができれば」と力を込めた。【松尾幸之介】

〈通算9アンダーの4位に浮上し、約5カ月ぶりの優勝を狙う上田〉全体的に2日間バランス良く振れている。最終日は何とか強い雨風に耐えられる我慢強いゴルフができれば。

〈富士通所属で通算8アンダーの6位に順位を上げた柏原〉いい位置にいると思います。(同じ富士通所属の古江と)あと1日あるので、2人でいいところにいれたらいいな。