開幕3日前の18日に米ツアー選手の欠場による繰り上げで、急きょ出場が決まった岩田寛が堂々の首位に立った。

1イーグル、6バーディー、1ボギーの63で7アンダー。インから出て10番パー4でバーディー発進したが、12番パー4で“お先”の短いパットを外してボギーをたたいた。だが「そこから逆に良い方にいった」と仕切り直した。直後の13番でバウンスバック、16、17番と立て続けにバーディーを重ねた。18番パー5では、残り251ヤードからの第2打を、1メートル足らずに寄せてイーグルを奪った。

会場入り後、奮い立たせてくれる出来事があった。食事中、選手とは思われず「キャディーさんですか?」とたずねられた。「僕の実力不足からくるものだけど、燃えるものがあった」と明かした。かつては米ツアーを主戦場とし、15年全米プロ選手権第2日には、当時のメジャー史上最少スコア63を記録した実力者。プライドを傷つけられ、見返したい思いがあった。「ホールアウトしたら、その人が僕の写真を撮っていた」とニヤリ。珍しく派手な黄色のウエアを着た理由を「秋」と一言で答えて報道陣の笑いを誘うなど、乗ってきた。