渋野日向子(22=サントリー)が、劇的な逆転で今季2勝目、日米通算7勝目を挙げた。

首位から出た正規の18ホールを5バーディー、3ボギーの70で回り、通算9アンダー、207でホールアウト。同じく首位から出たペ・ソンウ(韓国)と並び、プレーオフに突入した。そのプレーオフ1ホール目でイーグルを奪って快勝した。

渋野は前半、1、2番で連続バーディーと絶好のスタートを切った。1番パー5は、第3打のアプローチを1メートルに寄せ、幸先よく伸ばした。2番パー4は、第2打を3メートルにつけて2つ目のバーディー。同じく首位から出て同組で回るペが、連続パーとあって、一時は2位に2打差をつけた。だが4、5番を連続ボギーとすると、パーだった7番終了時点でペに抜かれて2位に後退した。直後の8番パー3で3つ目のバーディーを奪って首位に並んだが、伸ばしたいパー5の9番をパー。バーディーとしたペを1打追って折り返した。

後半最初の10番パー4で、ペがボギーをたたき、渋野はパーで再び並んだ。だが11番で再びリードを許すと、その後はリードを2打に広げられて最終18番パー5を迎えた。ここで2オン2パットでバーディーを奪った渋野に対し、ペは3オン3パットでボギー。プレーオフに突入した。

再び18番で行われたプレーオフは1ホール目で決着した。ともに2オンに成功したが2・5メートルにつけた渋野に対し、ペはグリーン端の長いパットを残した。先にイーグルパットを打って2・5メートル残したペに対し、渋野はイーグルパットを沈めて決着をつけた。渋野とペは、3週前のスタンレー・レディースでもプレーオフを行っており(他に木村彩子、アマチュアの佐藤心結と4人でプレーオフ)、その時も渋野が優勝していた。

そのスタンレー・レディースに続き、今月2勝目となった。渋野にとって月間2勝目は初。中2週での優勝は、最終日が19年7月7日の資生堂レディースから、同8月4日のAIG全英女子オープンまでの中3週を上回る最も短い間隔での優勝となった。スタンレー・レディースが約1年11カ月ぶりの優勝だったが、最近7戦で6戦がトップ10入りという安定感は抜群。強さ本物、完全復活を印象づける優勝となった。優勝インタビューでは「たくさんのギャラリーの皆さんの声援のおかげで、最後まで諦めずプレーすることができました。1勝目は無観客で少し寂しい思いしながらの表彰式だったけど、こんなにたくさんの皆さんの前で表彰式をしていただけてうれしいです。今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします」と話し、ギャラリーに感謝した。