2シーズンぶりの賞金シード返り咲きへ、シード圏内の賞金ランク65位と約330万円差の同76位にいる手嶋多一(53=ミズノ)が3バーディー、1ボギーの70でスタートした。

シード圏内突入に悪くとも単独12位(賞金333万円)が必要になる。プレーだけでも大変だが、手嶋にはスコア提出も難関? だった。「もう大変ですよ。本当に大丈夫かいなって」。前週のダンロップフェニックス第1ラウンドを過少申告で失格、4アンダーの好発進をふいにした。

それもあって、この日のアテストエリアは大騒ぎだ。同組のC・キムが手嶋に「スローリー、スローリー」と働きかけ、揚げ句は「俺がスコアをダブルチェックしようか?」。手嶋は手嶋で「大丈夫? 大丈夫? 本当に大丈夫?」と何度もスコアを確認した。

「アテストも僕には“戦場”ですから」と苦笑いした手嶋だが、この日のプレーはまずまず満足そうだ。「もうちょっと、もう1個はバーディーを取りたかったけど。まあ、割とグリーンに乗って(パーオンして)いたし」。重圧の有無を問われて「ないです、ないです! 僕が(賞金ランク)65、66、67位とかなら顔も引きつるけど」と蚊帳の外にいると言わんばかり。「最終日のバックナインになって(逆転シードの)可能性があればって話」。スコアチェックだけを入念に、あとは気楽にプレーに集中する。