賞金ランキング2位の古江彩佳(21=富士通)が、逆転女王の条件をクリアしたまま、今季最終戦を折り返した。3バーディー、4ボギーの73とスコアを1つ落としながらも、通算7アンダー、137で第1ラウンドに続いて単独首位。約1697万円差で賞金ランキング1位の稲見萌寧は伸ばせず23位。初の賞金女王を争う相手を9打リードし、残り2日間も駆け抜ける。

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今大会の“ラッキークラブ”が嫌な流れを止めた。スコアを3つ落として迎えた後半最初の10番パー4。残り114ヤードから、50度のウエッジでピンまで3メートル足らずにつけた。3位に後退して折り返したが、再び首位に浮上するこの日初のバーディーを奪った。前日の第1ラウンドは、大会最少に並ぶ64で回り、前半の29はハーフの大会新。前日も50度のウエッジは1番パー4の第2打で用い、30センチにつけてバーディー発進するなど随所で活躍。信頼の1本で「前半を忘れて後半スタートできた」と、首位を守った。

大会の前半を終え、1つ落とし、2位との差はスタート時点の3打から1打に縮まった。それでも「やばいなというのはない。今日のショット、パットでよく耐えられたなという感じ。4日間あったら1日ぐらい落ちる日もある。それが今日でよかった」と納得顔。優勝争いの経験も豊富。焦りはない。

逆転賞金女王には単独2位以上が絶対条件。簡単ではない。ただ、古江が優勝した場合、稲見は3位以下で賞金女王の可能性が消滅する。圧倒的に不利だったはずの状況を自らの手で覆しつつある。逆に稲見を追い込む形となった。「最後の最後に(国内)メジャーを取れたらかっこいいな」。夕暮れのパッティング練習場で1人だけ、最後まで残って練習。稲見に付け入る隙を与えず、勝って女王の座に就くつもりだ。【高田文太】

◆賞金女王争い 最終戦に持ち越された。2人に絞られ、差は約1700万円。稲見は最終戦で古江が優勝賞金3000万円を獲得しても「2人までの2位タイ」なら戴冠。古江は逆転戴冠に「単独2位(賞金1800万円)以上」が必要で後は稲見の結果次第。